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医療法人 鉾石医院

ほこいし医院

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前立腺がん

前立腺がん
前立腺は男性だけの臓器で女性には有りません。膀胱の出口で尿道を包むように存在します。大きさは栗の実くらいで形も栗の実に似ています。内部を尿道が大きく屈曲しながら貫いています(栗の実でいうと色の違うところから尖ったほうに向かって)。働きは射精のときに栗の花のような匂いを持つアルカリ性の液を分泌します。
前立腺は男性ホルモンと関係の深い臓器で、前立腺がんの細胞もほとんどが男性ホルモンに頼って増えるという特徴があります。
体を構成する正常な細胞は一定のルールをもって(たとえば腎臓の細胞は膀胱まで増えて行ったりはしない)必要なだけ増えます。それに対しがんは体の外から入ってくるわけではなく、もともと正常な細胞が間違って勝手にいくらでも増えて、そのうち他の臓器まで広がっていく状態です。前立腺がんももともと正常な前立腺の細胞が色々な影響を受けて勝手に増え、他の臓器にも進んで行くようになったものです。
がん細胞がどの位悪いかというのは正常な細胞に比べてどの位かけ離れた振る舞いをするかということで考えられます。具体的には細胞そのものが正常な細胞と比べてどの位違っているかという変化と、正常な前立腺を構成する細胞の並び方(構造)に対してどの位変わった構造になっているかで評価します。一般に正常な細胞に近いがんほどおとなしく、正常な細胞からかけ離れた格好のがんほど早く激しく進みます。
前立腺がんが転移する場合一番転移しやすいのは骨です。その他には肝臓、肺等に転移します。
他のがんと違う特徴的な治療としてホルモン療法があります。これは前立腺がんが男性ホルモンに依存する特徴を逆手にとって、男性ホルモンをできる限り減らしてがんを押さえ込もうとするものです。また、がんが早い段階で、前立腺の内部に留まっていると診断されると前立腺全摘除術の適応になります。その他の治療法として放射線治療や抗がん剤を使った治療もあります。がん細胞のタイプや広がりと年齢等に応じて治療法を選びます。複数組み合わせることもあります。
前立腺がんの診断にはまず血液検査で前立腺特異抗原(PSA)を測ります。PSAは他のがんの腫瘍マーカーに比べてきわめて精度が高く、かなり信頼されます。
また組織全体を調べるために超音波検査も行います。
しかし診断はこれらのデータだけで判断するわけではなく、泌尿器科の専門医による触診もきわめて重要な判断材料です。特にPSAが微妙な数字の場合は専門医の触診所見が診断を決める場合もあります。ちなみに腫瘍マーカーが開発、普及するまでは診断は専門医の所見に頼っていました。
これらの検査でがんの可能性を疑われた人は組織の検査を受けていただきます。組織の検査は専用の針を使って前立腺から小さな組織を数箇所採ります。採れた組織の中の細胞にがん細胞が見つかった場合前立腺がんと診断します。
前立腺がんは比較的有効な治療があり、早い段階で治療すれば完治することもできます。
大掛かりな装置を使わず、血液を少量調べることで発見できる可能性が高いので、せめて50歳以上の男性は一度はPSAを調べてみていただきたいものです。